先日、妻と二人で『シン・ゴジラ』を観て参りました。
タイトルが『シン・ゴジラ』に決まった時、正直言って「観に行きたくないな」と思いましたが、公開後に観に行った人たちの反応がいいので、「観に行きたい!」と思うようになりました。

ガキの時分に1984年度版の『ゴジラ』を劇場で観て、子供心に「…何だよ、スーパーXって…」とガッカリした覚えがあるので、それ以来、ゴジラ映画は劇場では観ずにソフト化してからたまに観る程度でした(1998年のエメリッヒ版の『GODZILLA』は観に行きましたが、違う意味でガッカリでした)。
しかし、『シン・ゴジラ』は今までの日本の特撮映画に対するネガティヴ・イメージをあっさりと覆す快作でした。
まず、ポリティカル・ドラマとしての出来が素晴らしくいい!
基本的に出てくる登場人物がほぼ政治家で、有事の際にどう対処するかが主眼に置かれていたのが良かったと思います。
そして、ゴジラの造形が怖いのがいい。やはりゴジラは恐怖の対象でなければいけません。あの死んだ魚の様な目がヤバいし、「もう、どうすりゃいいんだよ、この状況」と絶望するほど、ゴジラが強い。正に破壊の権化です。
随所に出てくる庵野監督の遊び心(『エヴァンゲリオン』のネルフの作戦時の音楽や他の特撮映画からの引用、ゴジラの退治方法など、思わず「ニヤリ」としてしまいました)も面白かったし、「えー、今更『ゴジラ』かよ」と食わず嫌いをしている人ほど、観に行って戴きたい映画でした。

もっとも、妻は「役者さんが演技してなくてつまらなかった」と評しておりましたが、僕はあのくらいサラッとしてて良かったと思いました。

で、これは2008年の『クローバー・フィールド / HAKAISHA』と対になっている映画だなあ、とも思いました。
もし、現実世界に怪獣が現れた際の政府の対応は『シン・ゴジラ』が、怪獣の足下での出来事は『クローバー・フィールド』がそれぞれ描いているなあ、と。

もう一度、観に行きたいなあ。