3年前から読んでいるライトノベルがある。
蝸牛くも先生の『ゴブリンスレイヤー』。
私が小学校高学年の頃から遊び続けているテーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)の世界を元にした小説である。
コンピューターゲームのRPGでは、高レベルのプレイヤーキャラクターは雑魚モンスターに負ける事は無いが、TRPGの場合、罠を仕掛けられたりして酷い目に遭う事があるし、たとえ雑魚モンスターといえども、無数に出てこられたら、サイコロの目によっては無残な結果になり兼ねない。
『ゴブリンスレイヤー』という作品は、雑魚モンスターに過ぎない小鬼(ゴブリン)を専門に鏖殺して廻るゴブリンスレイヤーと呼ばれる男の物語である。
特に1巻はかなり残酷な描写があるが、2巻以降を読み進めていくと、残酷な描写はあくまでも世界観の説明である事がわかる。むしろ、2巻以降で重点的に描かれていくのは、主人公の成長そのもの。それは周囲の人々との関わり方であり、特異な存在としてしか認識されていなかった男が、徐々に受け入れられていく様が私は好きだ。
小説内でTRPGやゲームブックに慣れ親しんだ人向けに、クスッと笑える小ネタが随所に散りばめられており、元ネタを知っていると更にハマる様になっている。
この小説を元にしたTRPGがこの度、発売された。
その名も『ゴブリンスレイヤーTRPG』!
TRPGから生まれたゴブリンスレイヤーがTRPG化された。
かつて、TRPG(D&D)から生まれたウィザードリィがTRPG化した『ウィザードリィロールプレイングゲーム』があったが、それを思い出したりした。
昨日、ようやく我が家に届いた『ゴブリンスレイヤーTRPG』の開封の儀の様子をご覧あれ。
赤いドラゴンが金貨の山の上にいて、それを迎え撃つ戦士という構図は、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の赤箱と呼ばれるベーシックルールセットの箱絵を意識しているのだ、とわかる。
肝心の内容は、まずマスタースクリーンがお目見え。
マスター側には様々な判定に便利なルールサマリーが載っていて、非常に便利である。また、痛打表などの小ネタも仕込んであり、ニヤリとさせられる。
そして、この限定版のみについてくる、原作者・蝸牛くも先生が書かれた『ゴブリンスレイヤーTRPG』用のシナリオ。
逆にゲームマスターをやる場合は熟読しておくべきものなので、遊ぶ状況によって読めるか読めないかが変わる。
そして、これまた懐かしい感じの大判の冒険記録用紙(キャラクターシート)!
もっとも、オフィシャル・サイトではキャラクターシートのpdfファイルのダウンロードも出来る。
オフィシャルサイト
更に下には肝心要のルールブック本体、ダイスポーチ、メタルフィギュア、ダイスが!
これらはそれぞれ別個に説明していく。
まず、ルールブック。
まだ熟読していないけれども、パッと見た感じ、『ソード・ワールドRPG』と『ファイティング・ファンタジー』に近い雰囲気のルールだと感じた。そして、随所に小ネタが仕込まれている!
戦闘が長引くと疲弊してきたり、ボスの周りにいる雑魚モンスターが厄介だったりと、かなり原作小説のギリギリ感が表現されているので、遊ぶのが楽しみである。
ダイスポーチ。
TRPGではダイス(サイコロ)を使う事が多い。システムによっては、20面体ダイスなどの多面体ダイスを使う事もあるが、『ゴブリンスレイヤーTRPG』では、6面体ダイスがいくつかあればよい。こうしたダイスを持ち歩くのに巾着袋が使われる事が多い。
私自身、ダイスは巾着袋に入れている。
メタルフィギュア!
私も中学生の頃は学校帰りにホビーショップに通っては、こうしたブリスターパックに入ったメタルフィギュアを眺めては憧れたものである。
90年代初頭までは、4頭身くらいの不恰好な輸入品ばかりだったが、アオシマ文化教材社から末弥純先生の絵を元にした『ウィザードリィ』のメタルフィギュアのシリーズが、そして『ロードス島戦記』のメタルフィギュアのシリーズも出て、6〜8頭身くらいのバランスの良いメタルフィギュアが出て来て嬉しかった。
現在では樹脂製のフィギュアが主流になっているが、今でもメタルフィギュアは新作が作り続けられている。
特製ダイス。
ケースの中には、6の目にゴブリンスレイヤーがデザインされた特製ダイスが2個収められている。
この『ゴブリンスレイヤーTRPG』、箱も大きいし、文庫も分厚いので、色々なものと比較してみた。
そして、
さすがに京極夏彦先生の『絡新婦の理』よりは薄いが、村上春樹先生の『アンダーグラウンド』とほぼ同じサイズ!