三遊亭楽天のブログ

五代目圓楽一門会所属の二ツ目、六代目三遊亭円楽六番弟子・三遊亭楽天のブログです。 落語会などの出演情報や趣味の事、日常の事などを適当に呟いて参ります。 宜しくお願い申し上げます。 お仕事のご依頼は info.rakuten3@gmail.com までお気軽にお問い合わせ下さいませ。

トンネルズ&トロールズ

僕の好きなTRPGの話。(ソード・ワールドRPG)

中学1年の春、母方の祖父母の家の近所の本屋さんの本棚で見つけた一冊の文庫本。

これが、僕と『ソード・ワールドRPG(SW)』(富士見書房)との出会いだった。

それまでのTRPGはボックスタイプと呼ばれる高額なシステムが多かった。もちろん、『トンネルズ&トロールズ』(教養文庫)の様な文庫タイプもあったが、少数だった。また、海外のTRPGを翻訳したものばかりだった中に、国産かつ文庫という取っ付きやすさのあるTRPGが登場した。
それがSWだった。
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しかも背景世界のフォーセリアは、先行して人気を博していた『ロードス島戦記』(角川文庫)をも含む世界で、ロードス島の読者にとっては非常に身近だった事もあり、瞬く間にSWはその勢力を伸ばしていった。
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追加ルールや背景世界の設定などは『ドラゴンマガジン』(富士見書房)でも連載されていたが、シナリオ集やリプレイにも掲載されており、手に入れやすさは群を抜いていた。
一方でやや枝葉が広がり過ぎた事もあり、全てをフォローするのが大変なシステムにもなっていった。
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基本システムではレベル5までの冒険をカバーしていたが、基本システム発売の翌年の夏には最高レベルである10までをカバーする『ソード・ワールドRPG 上級ルール』(富士見書房)が登場。
後年、繁雑になり過ぎたルールをまとめた『ソード・ワールドRPG 完全版』(富士見書房)が出たり、更なる追加ルールを収めた『ソード・ワールド・サポート』(新紀元社)、フォーセリア最大の大陸であるアレクラストの国々にスポットを当てたワールドガイド『ソード・ワールドRPGツアー』(新紀元社)なども発売された。
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プレイヤーは平均的な能力の「人間」、器用度、敏捷度、知力は高いが、筋力が低くプリースト技能が取得出来ない「エルフ」、筋力、生命力、精神力が高いが、敏捷度が低くソーサラー技能、シャーマン技能が取得出来ない「ドワーフ」、平均的な能力値は高めだが、上限が人間に比べて低い「ハーフエルフ」、器用度、敏捷度、精神力が高いが筋力が著しく低く、ルーン・マスター技能(プリースト技能、ソーサラー技能、シャーマン技能)が取得出来ない「グラスランナー」の5つの種族の中から任意のものを選び、それぞれの種族に準じた決め方で器用度、敏捷度、知力、筋力、生命力、精神力の6つの能力値を決めていく。
技能を経験点を消費して取得する「スキル制」のRPGなので、プレイヤー好みのキャラクターを作れる。技能は武器戦闘に必要な「ファイター技能」、迷宮の探索に役立つ「シーフ技能」、回復や援護系の神聖魔法を使える様になる「プリースト技能」、攻撃や援護、探索に役立つ古代語魔法を使える様になる「ソーサラー技能」、精霊魔法を使える様になる「シャーマン技能」、主に屋外での探索に役立つ「レンジャー技能」、初見のモンスターやアイテムなどを鑑定出来る「セージ技能」、呪歌という特殊な歌を唄える様になる「バード技能」といった「冒険者技能」の他、クラフトマン技能やセイラー技能といった「一般技能」も存在する(冒険者技能は経験点を消費する事で取得出来るのだが、一般技能に関しては高レベルの一般技能を持った師匠の元で修行しないと取得出来ない。この辺りはマスターの裁量によるところが大きい)。

技能によっては装備に制限がある(例えば「シャーマン技能」を使うには、片手が空いていて、金属製の鎧を装備してはいけない、等)ので、全部の技能を満遍なく取るというよりは、自分のキャラクターの能力値に合った、他のプレイヤーの取得していない技能を優先的に取得すると有利になる。

行為判定は基本的に能力値を6で割った「能力値ボーナス」+「技能レベル」を基準値とし、六面体ダイスを2つ振って基準値に足したものが目標値以上に達すれば成功する「上方ロール」となっている(技能を有していない場合は能力値ボーナスすら使えず基準値が0になる為、例えばファイター技能やシーフ技能を持っていないキャラクターは近接戦闘に参加するべきでは無い)。
また、技能の有無に関わらずダイスを振った際にピンゾロ(1のゾロ目)だった場合は有無を言わせず絶対失敗、6ゾロだった場合は絶対成功となる。

武器や攻撃魔法がどれだけのダメージを与えたのか、また鎧がどれだけのダメージを軽減したのかは「レーティング表」によって導き出すので、六面体ダイス2つだけで遊んでいるとは思えないほどの乱数の幅がある。

ルールを覚えるまでは難しく感じるかも知れないが、一度覚えてしまえばいちいちルールブックを開かずとも行為判定が出来る様になるくらい簡単なルールなので、非常に遊びやすいゲームである。

あまりに好き過ぎて、中学の図書室に蔵書のリクエストをして入れて貰った。
放課後の教室で仲間数人とよく遊んだ。またやりたい。

テーブルトークRPGのはなし

僕がその遊びと出逢ったのは、小学校高学年の頃。
友人宅に遊びに行くと、炬燵をぐるりと囲んだ友人たちがサイコロを振っては、何やら紙に書き込んでいた。
「何してるの?」
「あ、一緒にやる?」
という事で、僕も輪に加わる事となった。
「どうすればいいの?」
「まずね、この紙を…」
手渡されたコピー用紙には何やら項目が印刷されていた。
「プレイヤー名」、「ダンジョンマスター名」、「キャラクター名」、「性格」、「クラス」、「レベル」、「アーマークラス」、「ヒットポイント」、「ストレングス(強さ)」、「インテリジェンス(教養)」、「ウィズダム(知恵)」、「デクスタリティ(敏捷性)」、「コンスティテューション(強靭さ)」、「カリスマ(魅力)」、etc…。何だろう?
友人はサイコロを三つ手渡しながら、
「これを振った合計を『能力値』の項目に順番に書いてって」
「うん」
言われるがままにサイコロを振る。
「…出来たよ」
「どれどれ…。うーん、全体的に低すぎるなあ。もう一度振り直して」
やり直して再度見せると、
「うん、まぁまぁかな。ストレングスとインテリジェンスが高いから、ファイターかマジックユーザーかエルフが選べるけど、どれがいい?」
エルフ?いすゞのトラックか?マジックユーザー?
「ああ、ファイターは戦士。マジックユーザーは魔法使いの事だよ。エルフは戦士と魔法使いの中間みたいな感じだね」

…これが僕とテーブルトークRPGの馴れ初めだった。
システムは『Dungeons & Dragons』(新和 / TSR)。今では「クラシックD&D」と呼ばれているゲームだ。
会話によって進行するRPGである、というか『Wizardry』や『Ultima』といったコンピュータRPGより、むしろこちらが先に生まれた。
ゲームマスターと呼ばれる進行役がプレイヤーに状況を伝え、プレイヤーは受け持つキャラクターに合った行動を宣言し、その行動の成否判定をしながら進めていく。

僕はこの『D&D』 の他に『ソード・ワールドRPG』(富士見書房)、『指輪物語ロールプレイング』(ホビージャパン / Iron Crown Enterprises)、『ウィザードリィRPG』(アスキー)、『WARES BLADE』(ホビージャパン)、『Tunnels & Trolls』(社会思想社 / Flying Buffalo Incorporated)、『RuneQuest』(ホビージャパン / Chaosium Inc. / The Avalon Hill Game Company)、『ロードス島戦記コンパニオン』(角川書店)、『ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード』(遊演体)辺りで遊んでいた。
中学から高校の頭くらいまではすっかりハマっていたのだが、高校生で色気付いてすっかりオタクカルチャーから足を洗ってしまったので、気が付いた頃にはテーブルトークRPGという文化そのものがすっかり下火になってしまっていた。
自分に素直になれた30歳くらいの頃に大人の財力で買い戻して以来(何せ絶版書籍なのでどれもプレミア価格になっている)、宝物になっている。

テーブルトークRPGはまだまだマイナーなジャンルではあるけれど、結構面白い遊びだと思う。 
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